
Exhibit:thesexywitch
いわゆるラバーフェチ、ラテックスフェチの人はもちろんのこと、競泳水着好きであればなんとなく着目してしまうラバーとラテックス。ラバーを取り入れた競泳水着は数えるほどしかありませんが、アダルト的なコスチュームに視点を移せば、割とありふれた存在だったりします。特にフェチ系の衣装といえばラバーを想像する人も少なくなく、最近ではラバーに目を向けるモデルさんも増えてきたため、マニアックな世界と思われていたところから一般化とまではいかなくとも多くの人に認知されるようになりました。
フェティッシュギアとしては外すことのできない素材、ラバーとラテックスについて解説致します。
ラバーとはどういったものなのか

▲ラバーとはゴムのことである。ゴムはゴムノキから採取された素材を使って生成することはよく知られているところだ。
Exhibit:Ken Doerr
昨今のブームで卓球の話が話題に上るようになったこともあり、使用されるラケットに貼り付けるゴムの板のことを「ラバー」と呼ぶことを知っている人は多いのではないかと思いますが、つまりラバーとは単純に言えば「ゴム」のことを言います。
ゴムの特徴は一定方向に力を加えればそちらに大きく伸び、力を加えることをやめると即座にもとに戻る性質がありますが、ラバーも同じ性質があります。
ラテックス、ゴム、ラバーの由来は同じ?
ラテックス、ゴム、ラバーは同じようなものであるかと混同されることが多々ありますが、由来から見てそれぞれにどういった意味があるのかを解説致します。
まずラテックスとは素材の原料となる樹液のことを言います。
ゴムの原材料がゴムノキから採取される樹液であることは広く知られていますが、その樹液そのものがラテックスと呼ばれるものです。しかし何もゴムノキから採取される樹液だけがラテックスではありません。
子供の頃、野原で遊んだことがあるような人は知っていることかもしれませんが、たんぽぽの茎を切ると、白い液体が出てきます。実はこれもラテックスです。

▲たんぽぽの茎を切断すると白い液体が出てくるが、これも「ラテックス」だ。
Exhibit:Harry Rose
この他にも体内に白い樹液を蓄えた植物はいくつか存在しますが、それぞれ栄養を蓄える行為だったり、排泄物、あるいは毒性を持ち外敵から身を護るために存在していると考えられています。
ゴムノキにおいては、そのラテックスを使い塗料や装飾品などが作られていますが、主な製品としてはゴム、ラバーということになります。
この点が厳密に言えばラテックスとラバーの意味の違うところです。
ラテックス、ラバー製の競泳水着ってあるの?

▲写真のようなアダルトグッズ、コスプレグッズを思わせるようなゴム製の水着は販売されているが、完全ゴム製の水着というものは存在するのだろうか。
Exhibit:thesexywitch
ラテックス製品そのものを利用した競泳水着というものは、なかなかお目にかかることはできませんが、スポーツの世界にとどまらず、メディカル、工業、果ては宇宙産業にまで製品が利用されている山本化学工業株式会社製の競泳水着には独自のゴム技術が使われています。
元々がラテックス製品のメーカーであったことから、水泳、トライアスロンの分野には力を入れており「タコヤキラバー合成ゴム」という独自技術を用いて製造されたラバー素材をもとに競泳水着の作成が行われています。
レーザーレーサーに代表されるような高速水着の登場によって、山本化学工業をはじめニュージーランドのブルーセブンティ、日本のKOZなどバイオラバースイム製の水着が登場することになりますが、この高速水着による競技が疑問視されるようになり、ルールの改定もあって一気にラバー製競泳水着は表舞台からその姿を消しました。
水泳の世界ではラテックスは水着よりもスイムキャップに使用されている

▲水泳の世界においてのラテックスといえばスイムキャップに使われている素材だ。シリコン、メッシュ、そしてラテックスの3種類が主流であると言われている。
競泳水着自体にはなかなか使用が難しいとされるラテックス製品ですが、実はスイムキャップに多く使われています。
小中学校の水泳授業で使われたことがある人も多いかと思いますが、布製のメッシュで構成されたメッシュのスイムキャップは安価で着脱がしやすく使い勝手がいいものですが、頭に直接プールの水が触れてしまうため、髪や頭皮にダメージを与えやすくなってしまうのと泳いだときの水の抵抗が大きくなってしまうため、競技ではラテックスやシリコン製のキャップが一般的です。
ラテックス製のスイムキャップは水の抵抗を下げる点について優れていると言われています。
ラテックス製スイムキャップとラテックス・競泳水着フェチの関係

▲ラテックスフェチという意味においては、全身ではなくともこのようなスタイルの衣装もある。素材から見て競泳水着フェチと共通する点はあるのだろうか。
このようにラテックスが水泳に関与している部分で言えば、現在はスイムキャップということになりますが、冒頭でもお話したとおり競泳水着フェチにはラテックス(またはそれを感じさせるような素材・格好)好きが多いような印象があります。
sukumizu.tvでもそれを意識してスイムキャップ&ゴーグルに競泳水着着用写真を集めた写真集の制作を行っておりますが、どういった点に魅力があるのでしょうか。
有機物と無機物の融合

▲ラテックスフェチにおける魅力の一つは、ラテックスを肉体で包み込むという有機物と無機物の融合だろう。さしずめアンドロイドを思わせる。
Exhibit:thesexywitch
ラテックスフェチに言えることかもしれませんが、その魅力は有機物である人間の体と無機物であるラテックスの融合、調和によるものだと考えられます。
もっとも有機物=人間、無機物=ラテックス、ゴム、という表現は科学的な意味で正しいかどうかは判断ができませんが、生物と非生物が混在した異質な存在というところに魅力の秘密が隠されているのではないでしょうか。
女性の体がすべてラテックス素材に覆われた姿は、確かに人間の女の姿形でありますが、異様な光沢感と表情が全くわからない姿は、SMの世界においても奴隷というよりは物質、あるいはロボットやアンドロイドといった世界が広がっているような気がします。
一方、競泳水着に話を戻しますが、ラテックスやシリコンと言った素材は高分子化合物(または高分子物質)であり、おおよそ生物を構成する物質とはかけ離れた存在です。

▲シリコンキャップとゴーグルを着用したことで人間味が失われたように見えなくもない。
そんな素材でできたキャップとゴーグルを着用することで表情が失われ、無機物に覆われた頭部はラテックスフェチの世界で言う全頭マスクに近い魅力があるのではないでしょうか。

▲全頭マスクは完全に人間性を失わせ、まるで物体を思わせるような存在になる。
Exhibit:thesexywitch
そして競泳水着ですが、こちらも基本的には布地であることは間違いありませんが、構成するのは麻や絹と言った天然素材ではなく、化学物質によって構成されたポリエステルやポリウレタンと言った化合物です。
そうした人間臭さや表情を感じさせないような素材で覆われた身体もまた、見方によっては人間とは違うものを感じさせる一面があるのではないかと考えます。
おそらくですが競泳水着において(競泳水着、ラテックスフェチの人から見て)柄物はそんなに人気がなく、シンプルなデザイン、特にメタリックなグレーや光沢感の強いものが人気があるのは、この点にあるのではないでしょうか。

▲このようなガンメタリック系の競泳水着は特に人気があるが、ラテックスフェチに通じるものがあるのではないだろうか。
ラテックスやラバーでできた競泳水着はあるのか

▲このようなラテックス素材を思わせるような素材でできた競泳水着は、実際の競泳水着ではなくコスチュームに類するものだが、ラバーやラテックス素材をこよなく愛する人達にとっては垂涎モノではないだろうか。
競泳水着の世界ではラバーやラテックス素材でできた水着はあるのでしょうか。
いわゆるコスチューム水着で見られるようなタイプの素材で作られた競泳水着はないものの、ウェットスーツなどでも使用されるようなプレーンゴムを用いた水着がかつて存在していました。
競泳競技で使われる水着は明確に布地のものでなければ使ってはいけないことになっていますが、現在のルールになる2008年までは、そのあたりが曖昧だったことから各国で高速水着なるものの研究が行われ、その中でゴム状の水着があったことは確かです。その代表的なものがレーザーレーサーと呼ばれる水着でした。
近年ではコスチューム水着を中心にラバー調の競泳水着タイプが注目されている
試合のような場面でフェティッシュ感あふれるゴムのような競泳水着は姿を消しましたが、競泳水着に模したラバー調のコスチューム水着は脚光をモデルを中心に脚光を浴びています。
元々、競泳水着はハイレグということもあり、脚線美や女性のセクシーさを前面に押し出すという意味でグラビアでは度々、見かけることがありました。
そんな中、コスプレブームを経て、様々な女性がモデルとして活躍できるようになった昨今において「例の競泳水着」を皮切りに、この手のコスチューム水着が注目されるようになりました。
実際に女性モデルたちがこれらの水着を買うために、どのような着心地になるのか、自分の体型にあっているのか、ということを真剣に考えることもあります。
以下で紹介する水着たちはそれぞれラバー感、ラテックス感のある水着になりますが、いかに競泳水着フェチとこれらの素材の相性がいいか、確認することができます。
例の競泳水着と呼ばれたREALISE:N-106
この水着の特徴は胸が開くタイプのフロントジッパーと呼ばれる機能に目が奪われがちですが、表面が透明のフィルム加工がされており、光の加減によって強い光沢感が生まれます。
コスチューム性の強い水着であることは言うまでもありませんが、このピッタリフィットする水着=競泳水着のイメージと光沢感がマッチすることで、ラバーやラテックス素材と競泳水着の相性がいいことがわかる一枚となりました。
ラテックス素材を思わせるREALISE:N-108
こちらはN-106と同時期に販売されたもので、フロントジッパーではなく競泳水着としては通常のタイプのものになります。
これを見るとN-108よりも形状が競泳水着に近いことから、光沢感のある素材が競泳水着にマッチすることがさらにわかるのではないでしょうか。
ラバー素材を思わせるREALISE:N-708
その後のシリーズとして販売されたN-708はラテックスというよりはラバー感のあるタイプの素材でできた水着です。
マット素材で作られているため、光沢感は落ちるもののフェティッシュさという意味では遜色のないイメージがあります。
まとめ:ラテックス、ラバーと競泳水着は親しい関係にある
一瞬でしたがレーザーレーサーが一世を風靡した時代においてラバー加工の高速水着などが人気になりましたが、競技の面から見てもラバー、ラテックス素材と競泳水着は親しい関係にあると言えますが、フェチ的な観点から見ても光沢感や有機物、無機物の融合という点で、親近感を覚えるようなイメージがあるかと思います。
Twitterのユーザーの中には、ラテックスフェチを自認している方が男女問わず多数いらっしゃいますが「競泳水着も好きです」とおっしゃられる方が少なくないことから、少なからずこの関係というのは隣り合わせであるように思えてなりません。