モデルさんから「REALISE」は生地が伸びないから水着を購入する際にサイズ選びが難しい、という話をよく聞くことがあります。
確かにREALISE製の水着は生地が伸びにくい、という印象がありますが、反面、近年、存在感を増してきている中国のコスチュームブランド、LEOHEXは着やすかったということも聞かれるようになりました。
いったい何が違うのかREALISEとLEOHEXとを比較し、その生地の伸縮性などについて調べてみました。
伸びないと言われるREALISE製の水着にはどういったものがある?
さて、生地が伸びないと言われているREALISEですが、同ブランドの水着すべてが伸びないわけではありません。
ツーウェイ系の素材で作られた一般的な水着生地でできた水着は、ものによって多少の違いはありますが、いずれも伸びるように作られていることが多いです。
ただし他の一般的なレオタード生地などでできたものと比べると、若干、伸びにくいイメージはあります。
通常の競泳水着タイプのような水着であれば、着用者とのサイズがあっていればさほど気にするような伸びにくさ、というのは感じられません。
しかし同ブランドのパイロットスイムスーツ、セパレートタイプの水着でも長袖がついているものについては、若干伸びる範囲が制限されているように感じます。
というのも、腕の部分を見てみてると別の色の生地で作られたラインと水着本体部分の生地が縫製されています。
縫製のための糸が使われた範囲があればあるほど、この伸びにくさというものは出てくるため、これが影響しているのではないかと考えられます。
伸びないと言われているのはラバー系タイプの水着
REALISEの水着が伸びない、という印象を持たれているのはラバータイプのシリーズのものによるものではないでしょうか。
実際に何着もモデルさんに着用していただいていますが、縦横どの方向に対しても生地が伸びにくいため、人によっては着用する際に一苦労することもありました。
実際、ブランド側でも購入者への注意喚起として、通常の着用感を楽しむ場合はワンサイズアップして購入することを推奨しています。
締めつけ感が強く作られている、ということもありますが、何よりも素材によって伸縮性が抑えられているため、単純に伸びにくいと思われている節はあるのではないでしょうか。
モデル別で見るREALISEの伸縮性
それでは伸びにくいと言われるREALISEのラバータイプの水着にはどのようなものがあるのかいくつか例を示して説明いたします。
N-106
例の競泳水着として一世を風靡し、今の競泳水着ブームの礎となった水着ですが、こちらは硬めの下地生地に透明の薄いフィルムのような膜が張られたタイプの水着です。
一見するとそのような構成であることはわかりませんが、おそらく透明の膜を保護することや、身体がピンと張った際に出る光沢感を出すためにあえて硬めの生地を使ったのではないかと考察します。
そのため見た目は柔らかそうなイメージがありますが、手に取るとその硬さがよく分かる水着です。
N-306
こちらは先のN-106が出たあとのタイプのものですが、全体的に塩化ビニールで覆われたようなタイプの水着です。
使い続けていると細かなシワができやすいのですが、生地は以前のものよりは若干伸縮性のあるようにも思えます。
ただしそれもN-106と比べた場合ですので、一般的な水着と比べればあまり伸びないと言っていいと思います。
N-999HL(rubberrize シリーズ)
2019年12月に冬モデルとして登場したrubberrizeシリーズの水着です。
このシリーズには4種類のモデルが存在しますが、いずれも同じ生地で縫製されたものと考えられます。
この水着が出る以前の話で「従来のものより伸縮性がある」との噂もありましたが、実際にモデルが着用してみたところ、その差は従来モデルと比べてあまり差はないように感じました。
手にとって生地のスペックを確認してみましたが、伸びにくさ、という部分においては、特に変化はないようにも思えました。
LEOHEXの水着はどのような伸縮性能があるのか
次にLEOHEX製の水着がどのような伸縮性能を持っているのか説明いたします。
Amazonなどで販売されている商品ページを確認してみると、ライバル心があるのかREALISEよりも光沢感があることをアピールしています。
それはともかく、モデルさんに着用してもらったところ確かに伸びやすいためか着やすいという感想をいただくことが多くありました。
サイズも同じものを選んで着用してもらっているため、サイズでの差異はないと考えますが、確かに手にとって引っ張ってみてもREALISEより明らかに伸びる感じがします。
LEOHEXも一般的なストレッチ素材で作られたタイプの水着があり、こちらはREALISEと同様の伸び方をしますが、ラバータイプのような光沢性の強い素材でできた水着についても、REALISEよりは伸びる、という感じでした。
モデル別で見るLEOHEXの伸縮性
REALISEの水着の説明のときと同様に、いくつかのモデルの中から伸縮性について確認してみましょう。
マットタイプのレオタードタイプ水着
結論から言ってしまえば、このタイプの水着が一番伸びるように感じました。
素材感は柔らかいラバーというような感じで、手に触れた感じもソフトにできています。
着用時には生地がストレッチ素材ほどではないにせよ、縦横に伸びるため着用者にとっては着やすい水着、というイメージがあります。
ラメ調のレオタードタイプ水着
同じような素材感はありますが、ラメが散りばめられている生地のためか、先述のものと比べると若干、伸縮性能に劣るようにも思えます。
しかしREALISEの水着よりは伸びるという印象です。
エナメル調の競泳水着タイプ
一見するとこの水着が一番伸びないようにも見えますが、そのとおりでLEOHEXの水着の中でも一番伸びにくいタイプの水着です。
しかしこちらの水着も柔らかい塩化ビニールのような素材でできているためか、まったく伸びないというわけではなく、ある程度の伸縮性能があるためREALISEのものよりは伸びるという印象があります。
REALISEとLEOHEXの水着を素材別で比較
これまで2つのブランドの水着を着用してもらい、実際の水着の伸縮性を確認しました。
水着がどのような伸縮性能を持っているかは、その大部分は生地の素材にあると考えられます。縫製技術や方法、箇所によっても大きく変わることはありますが、水着を構成する大きな要素はこの素材です。
そこでREALISEとLEOHEXの水着にはどのような素材が使われているのかを比較してみました。
水着素材の比較
- REALISE N-996HL(Rubberrizedシリーズ)
- エナメル加工部:ポリウレタン ベース生地:ポリエステル85% ポリウレタン15%
- LEOHEX 長袖ハイネックタイプ
- ナイロン80% スパンデックス20%
この2種類で確認したところ、まず素材に大きな違いがあるということ。
そしてベース生地で使われている、いわゆる「伸びる」タイプの素材構成に違いがあることがわかりました。
REALISEでは伸縮性能を持たせるための生地素材にポリウレタンを15%採用しており、LEOHEXでは、スパンデックスを20%採用しています。
スパンデックスはポリウレタン弾性繊維に内包されるそうなので、実際にどのような違いがあるのかはこちらではわかりかねますが、素材の配合比率に違いがあることはわかりました。
その差は5%になりますが、この違いによって伸縮性能に大きな違いを生んでいるのではないでしょうか。
REALISEとLEOHEX、どっちを選べばいいの?
それではこの伸縮性能の違いをもとに、どちらのブランドを選べばいいのか、という話になるかもしれませんが、これはそれぞれのブランドに一長一短があるため、一概に言うことはできないでしょう。
REALISEはこの世界のブランド覇者として、多くの人たちから愛されているブランドであることは言うまでもありませんが、REALISEのデザイン力で着用したいというのであれば、これは唯一無二のものです。
反面、着用のしやすさを求めるのであればLEOHEXということになるかもしれませんが、モデル初心者としてこの手の水着がどんなものか着てみたい、ということであれば、比較的、安価で手に入れることができサイズによる失敗が少なさそうなLEOHEXをおすすめいたします。
慣れてきたらREALISEを選んでみる、というのもいいかもしれません。
ただ先述の通り、REALISEはワンサイズ上のものを着用することを勧めていますので、そこからヒントを得てみてもいいかもしれません。
弊サイトの経験から言えるヒントがあるとすれば、体型によってはツーサイズ上のものも視野に入れたほうがいいでしょう。
まとめ:伸縮性はLEOHEXのほうが高い
REALISEとLEOHEXの水着にどのような伸縮性があって、その差はどこにあるのかについて解説しました。
結論としては素材から見てLEOHEXが伸びる、という結論になりましたが、もしかしたらREALISEも伸びる素材のものでコスチュームを作る可能性もあります。
このあたりは引き続き情報収集を行い、変化があれば皆様にもご紹介したいと思います。