【画像あり】生地素材の視点で見る競泳水着の変遷・歴史

【画像あり】生地素材の視点で見る競泳水着の変遷・歴史
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フェチをこじらせた競泳水着好きな人にとって、現在ある水着の素材は当たり前にあるものだと思います。しかしオリンピックを中心とする競泳競技の存在により、速く泳ぐための水着の開発が各国メーカーで熾烈に争われた時代もありました。今回はそんな競泳水着の進化にスポットを当て、素材という観点から競泳水着の歴史について解説いたします。

なお、各時代の素材がどのような特性を持ち、現在の生地と何が違うのかについては、競泳水着生地の素材的特徴をまとめた比較記事もあわせてご覧ください。

競泳水着の歴史は第二次世界大戦後から大きな進化が始まった

2010年代の競泳水着、arena ARN-7021W/DBSV X-PYTHON2
▲画像は2010年代に登場したarenaのARN-7021W/DBSV。
X-PYTHON2という生地が採用されたモデルだ。

長い目で見れば水着自体は紀元前1世紀から概念として存在しているため、その歴史から見れば膨大な時間ということができます。

 水着
概念としての発祥時期紀元前1世紀~紀元後1世紀
衣類として認められ始めた時期18世紀
登場まで代用されていたもの下着・不要な服
代表的な素材(現在)ナイロン・ポリウレタン等・スパンデックス・ツーウェイ
関係した人物アネット・ケラーマン(オーストラリア)(女優)(女性)
生まれた目的・用途海水浴・レジャー
種類レジャー用、競技用など多数

しかし「速く泳ぐための」という観点では、化学繊維の発展が興ったのは比較的近い時代でした。それまでは衣服に使用される生地も限定されており、決して多様なものではありませんでした。

一般的な服飾と同様、ウールやシルク、コットンが使われていた時代です。そういった時を経て、戦後、化学が進歩したことによる生地素材の進化によって、競泳水着も新しい時代を迎えることになりました。各時代ごとに見ていきましょう。

1950年代:素材の限界と水着の保守性

競泳界において、1950年代は水泳用の衣類がまだ素朴であった時代です。当時の競泳水着は、綿やウールのような一般的な素材で作られ、水を吸って重くなりやすく、抵抗が大きいという問題を抱えていました。

この時代の水着は保守的で、女性の水着も控えめなデザインが主流でした。代表的なメーカーにはSpeedoやJantzenなどがありました。

1960年代:速乾性と新素材の登場

1960年代から登場したと考えられる競泳水着の例
▲1960年代頃の競泳水着は現在で言うところのスクール水着のような形状で、この時代辺りからナイロンやポリエステルを用いた水着が登場し始めた。

1960年代に入ると、競泳水着の素材が改善され始めました。ナイロン(ポリアミド)など、速乾性があり水をはじく素材が使われ始め、水中での抵抗が軽減されました。

ナイロン自体の歴史は1930年代に遡りますが、競泳水着への本格採用はこの時期以降とされています。女性向け水着の露出が増えてきたのもこの頃と考えられます。

1970年代:技術の進化と競技向きのデザイン

競泳水着のデザインと素材は、1970年代に入るとさらに進化しました。材質がナイロン主体からポリウレタンを混合したものへと移行し、縦横の伸縮性が備わるようになりました。

身体にフィットし、肩の可動域を確保した「レーサーバックスタイル」も登場し、競技向きのシルエットが一般化しました。LycraやSpandex(いずれもポリウレタン弾性繊維の商品名・通称)がこの時代の代表的な素材として挙げられます。

1980年代:高速水着とハイカットの台頭

1980年代の競泳水着の例
▲画像はarenaのARN-75W。1980年代に入るとこのようなタイプの競泳水着が主流だった。

1990年代に入ると、競泳水着の素材がさらに進化し、競技者のパフォーマンス向上に貢献しました。Speedoは1996年アトランタオリンピックに向けてAquabladeシリーズを投入し、同大会でメダル獲得者の多くが着用するほどの評価を得ました。水の抵抗を低減するための表面加工技術も各社で発展した時期です。

1990年代:新素材と競技者のパフォーマンス向上

1990年代に入ると、競泳水着の素材がさらに進化し、競技者のパフォーマンス向上に貢献しました。Speedoは1996年アトランタオリンピックに向けてAquabladeシリーズを投入し、同大会でメダル獲得者の多くが着用するほどの評価を得ました。水の抵抗を低減するための表面加工技術も各社で発展した時期です。

2000年代:フルボディスーツの登場と革新

高速競泳水着の代表格、X-FLAT
▲2000年代初頭に登場し、高速水着の代名詞ともなったX-FLATシリーズ。

2000年代は、競泳界においてフルボディスーツが登場した時代です。Speedoは2000年のシドニーオリンピックに合わせてFastskinシリーズを発表。サメ肌の表面構造を参考にした設計が話題を呼び、同大会で15の世界記録のうち13がSpeedo着用選手によるものでした。さらに2008年の北京オリンピックではLZR Racerが多数の世界記録更新に貢献しましたが、その性能の高さゆえに翌年FINA(国際水泳連盟)によってポリウレタン製水着の使用が禁止されるという騒動にも発展しました。

なお、同時期にarenaが発売したX-FLATは、厚さ0.2ミリという極薄素材でマニアの間に伝説的な評価を残したモデルです。

2010年代:持続可能性と個別のカスタマイズ

FINA認証を受けた競泳水着の例
▲正確には2009年頃だが、2010年以降はこのようにFINAによる認証を受けた水着だけが公式競技で使用できることとなった。この認証を受けるには生地素材のチェックも含まれている。

2010年代に入ると、競泳水着の素材や製造プロセスにおいて持続可能性が重視されるようになりました。また、競泳水着のデザインが個々の競技者の体型に合わせてカスタマイズされる傾向が見られ、より効率的な泳ぎを可能にしました。

TYRやMizunoなどの競泳用品メーカーが環境への配慮を示し、より持続可能な素材の採用に努めた時期でもあります。

2020年代:環境への配慮とテクノロジーの進化

現在の競泳水着は、環境への配慮とテクノロジーの進化が両立されています。リサイクルポリエステルなど持続可能な素材や製造プロセスが採用され、競技者のパフォーマンス向上に貢献しています。さらに高度な計算流体力学や素材工学を取り入れた水着が開発され、競泳界における最先端の装備となっています。

これからも競泳水着は進化し続ける

このように化学技術の発展によって生地が進化、高速で泳ぐことのできる水着を人類は手にすることができました。
2000年代に入ると一時、それが問題視されることもありましたが、それでも水着に対する人類の挑戦は続くのではないかと伺わせるような気がします。
今後もこの発展を見守り続けていきましょう。

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