
- フェチ上級者
- スクール水着着用派を極めたい方
- スクール水着の素材について知りたい方
寒くなるとなぜか話題になるのが「スクール水着は防寒着になるんだよ」という話。
着用者からは「あったかーい」などという声も聞かれるのですが、よくよく考えたら水着は薄布一枚であることには変わりないですし「本当かよ」と思ってしまうのではないでしょうか。
一部ではバイク乗りが着ていることもあるそうです。にわか信じがたい気もしますが、今回はそんなスクール水着が防寒具として役に立つのか、について調べてみました。
この記事のポイント
- スクール水着が防寒具として役に立つのか、検証している。
- 吸湿発熱の原理から考えればスクール水着も「暖かい」と言えなくもない。
- ただし素材が保温性能を持ったものではないので、過信は禁物。
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スクール水着は本当に温かい?

着用者からは「暖かい」と感じることのあるスクール水着。
スクール水着は、他の水着よりも厚手に作られていることも多いため、言われてみればそんなふうに思ってしまうのもあるのかな、と思ってしまいそうですが、なぜ暖かいと感じるのでしょう。
もしかしたら本当に暖かいのかもしれませんし、ちょっとした妄想で脳内神経をおかしくしてしまったゆえに、実は気のせいだったということもあるかもしれません。
そのためにはスクール水着が暖かさを生むメカニズムを考えなくてはなりません。まずはその点について考えてみましょう。
ヒートテックと比較してみる

薄い素材でできた衣服で暖かいと感じることができるものと比較すれば、それがわかるかと思い思案したところ、UNIQLOのヒートテックが真っ先に思い浮かびました。
最近では「極暖」といったモデルも発売されており、利用シーンに応じて暖かさを選べるようになりましたが、一番薄いノーマルなヒートテックでも十分暖かさを感じることができます。
お使いになられている方も多いと思うので、想像できるかと思いますが、まるで水着のような薄さであるにも関わらず、他の肌着とは違う暖かさを得られるので、ヒートテックにこそスクール水着が暖かいと感じる秘密があるのではないかと思いました。
ということで、ヒートテックがなぜ暖かいのか、そのメカニズムを知ることろから探ってみましょう。
薄い生地のヒートテックが暖かい理由
ヒートテックはUNIQLOの製品ではありますが、その名前自体は素材名のことであり、繊維業の企業としては最大手の東レと共同で開発した素材のことです。
つまり素材名をそのまま製品名にしたわけですが、先述の通りヒートテックは薄い素材でできているのにとても暖かく感じます。
吸湿発熱の原理を利用している
ヒートテックはその名前から暖かくするための特別な機能がついているのでは、と考える人も少なくないかもしれませんが、ヒートテックが暖かいと感じる理由は機能的には他の衣服と大きく変わりません。
人間は運動すれば汗をかきます。ですが、何もしていない状態でも汗をかくことはよく知られていることだと思います。
新陳代謝によって身体から二酸化炭素を排出するのと同じように、水分も全身から放出しています。
衣服を着た状態だと、身体から出た水分は繊維に吸収されます。繊維によって絡め取られた水分はしばらくは蒸発することなく、繊維内にとどまりますが、身体を動かせば繊維と水分がこすれて摩擦熱が発生します。
つまり肌着内の水分が摩擦熱によって温められ、結果として暖かくなる、というのが吸湿発熱の原理です。
ヒートテックはその吸湿発熱の原理をより効果的に行うことができるよう、言い換えれば熱を生み出すことができやすくなるように作られた吸湿発熱素材なのです。
吸湿発熱の原理だけではない機能も
しかしいくら吸湿発熱素材でできているかと言って、延々と水分を吸収し続けていれば濡れたタオルのようになってしまい、びしょびしょになってしまうのでは、と心配するかもしれません。
そこが一般的な肌着と違うところで、吸収された水分が効率的に外に逃げられるような仕組みも取り入れられています。温まった水分は外側に出ていき、暖気(暖かさ)だけが衣服に残る、といったほうがわかりやすいかもしれません。
こういった機能によりヒートテックが暖かい肌着として機能し、広く認知されているのです。
ヒートテックの主要素材
薄いのに暖かさを生み出しているヒートテック素材ですが、実は4種類の繊維によって構成された素材になっています。
その素材の内訳は、以下のとおりです。
- レーヨン
- アクリル
- ポリエステル
- ポリウレタン
そして、これら素材の中でヒートテックが持っている機能が以下のように分類されます。
- レーヨン
- 人体から発生した水分を吸着し、摩擦熱によって熱エネルギーに変換することで発熱する
- アクリル
- マイクロアクリル繊維によって繊維の隙間に暖気が封じ込められるため、保温機能をもつ
- ポリエステル
- 速乾性が高まり余計な水分が外気へ逃げやすくなる
- ポリウレタン
- 着心地が良くなる
これら繊維が複合することで優れた発熱・保温性能を持った肌着となっていることがよくわかります。
ポイントとしては水着にも使われている素材でポリエステルとポリウレタンがあります。しかしここだけを見ると素材で保温性能があるというわけではなさそうなので、スクール水着がヒートテックのような役割を果たすのはできないでしょう。
ヒートテックの性能と比較してスクール水着が暖かいか検証

スクール水着の生地にはレーヨン、アクリルという繊維では作られていないため、保温や保湿といった機能を持った繊維では構成されていないため、残念ながらここだけを見れば暖かいということは難しいと思います。
しかしどんな肌着であっても水分を寄せ付けない、あるいは水分をはじいてしまう繊維や素材で作られたものでなければ、吸湿発熱の原理は少なからず働くことは確かです。
そのため、比較する前に結論から言ってしまえば「スクール水着は暖かい」と言えるかもしれません。
ただしそれと同時に防寒着として機能するかについては、飛躍しすぎた話であり、とてもそうはならないと考えるのが自然です。
繊維の性質から見れば暖かいとは言えないが、吸湿発熱の原理から考えればスクール水着も「暖かい」

スクール水着着用時においても当然、人間は水分を全身から出しているわけですが、この水分がスクール水着に吸収されれば、吸湿発熱の原理が働くため、この点で考えれば暖かくなるということができます。
しかし、先の説明でヒートテックのような素材では作られていないため、同じような保温効果はまったく期待できません。
ナイロンは吸水性が低く、乾きが早いことが特徴的な繊維ですが、この点で考えれば発熱・保温はかなり難しいでしょう。
しかし最近のスクール水着はナイロン以外の繊維、例えばポリウレタンのような繊維が含まれているタイプが多いため、ナイロン100%のスクール水着よりは、そちらのほうが暖かいかもしれません。
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あとは脳内で補完してしまえば暖かいと感じるかも?
残念ながらスクール水着が防寒着になるということに諸手を挙げて賛成できるわけではないですが、暖かいと思った方はおそらく「裸の状態よりは暖かい」と思ったところからスクール水着は暖かいと思ったのではないでしょうか。
例えばゴムでできたラバースーツの場合は素材に水分が全く吸着しないため、暖かくなることはありませんが、水分を吸着できる繊維であれば、少なくとも吸湿発熱の原理が働くことは間違いありません。
そのことを考えると、確かに暖かくないというわけではない、と考えるのは正しいのかもしれません。
となると、あとは「スクール水着は暖かいものだ」と錯覚してしまえば、なんとなくは暖かくなるのではないでしょうか。
しかしもう一度いいますが、防寒着にはならないと考えたほうがいいです。少なくとも冬の寒空の下、スクール水着一丁で外に出てはいけません。公衆的な意味も含めて。
大寒波が来ているような日だと命に関わります。
バイク乗りがスクール水着を着用しているのもちょっと納得?
スクール水着が暖かい肌着代わりとして機能する、というのは繊維の性質から考えれば、不向きであると言わざるを得ません。
しかし当然、スクール水着だけで運転するわけではないので、ライダースーツとか、そういったものの下に肌着として着用しているのが普通だと思うので、それを考えれば、スクール水着のもつ繊維と身体から排出された水分によって熱せられた空気がライダースーツ内に満ちると考えれば、結構暖かいのかもしれません。
しかし、そこは普通にヒートテックでいいのでは?と多くの人が思うところでしょうけど、彼らからすればスクール水着を着用するのには理由があるそうで「事故を起こさないようになるから」なんだそうです。
当然、事故を起こせば救急隊員によって衣服が剥ぎ取られる可能性があるわけですが、そこでスクール水着を着用していたなんてバレた日には、恥ずかしすぎるから、というのが理由で安全運転になるのだそうです。
余談ですが、むしろ暖かさをもとめるというよりは事故防止のお守りのように着用されている方もいるかもしれませんね。